講師
中島 岳志 氏 東京工業大学リベラルアーツ研究教育院 教授

中島 岳志

9月19日(水)、東京工業大学教授の中島岳志先生をお招きし、2018年度「青天白雲塾」第5回目の講座「日本の近代とは何か」を実施しました。

この講座では「アジア主義」を取り上げました。戦後、侵略主義の別名として否定されたアジア主義ですが、近年の中国の台頭とアメリカの覇権力の低下の中で日本が今後どう生きていくべきかを考えるためには近代日本のアジア主義がたどった顛末を捉えなおす必要があると、中島先生は述べていらっしゃいます。

アジア主義が現在の政治情勢に緊密に結び付いている具体的な話から始まり、歴史、哲学、地政学の領域を行き来しながら現在の政治や外交について解説する中島先生のご講義に、受講者の皆様は一気に引き込まれていました。多くの受講者にとって、学校教育の中であまり取り上げられてこなかった近代史の一面を知り、現在の政治、社会の背景を考える良い機会となったようです。
次回からは企業ごとのチーム編成となり、自社の取組みを踏まえて未来を考える準備をしていきます。次回は人工知能(AI)と、経済の持続可能性ならびに「持続可能な開発目標(SDGs)」をテーマに取り上げます。
(尾形雅子)

~受講生の声~

「アジア主義の背景、帝国主義への傾倒、それが現在に及ぼした影響(国際領土問題)を体系立てて理解することができた。まさに、過去がありこの現在があるということを再認識した密度の濃い時間であった(準備から講義当日まで)。」
[システム]

「プラトン、デカルトの考え方から始まり、レジティマシー、ナショナリズムという概念を通して、フランス革命と明治維新との比較検証を行った中で、日本における一君としての天皇の超越性、そしてそれを前提とした国体の在り方について深く理解することができ、大変有意義な学びを頂くことができました。」
[建設]

「アジア主義について「思想としてのアジア主義」についてはやや実現困難な内容ではあったものの、「理想」を掲げない限りは「実現可能性がある構造的な理想が創発されない」ということを学び、企業においても同様に、高い理想を掲げないと進化発展は無いと感じました。企業は常に高い理想を掲げる必要性を実感しました。」
[小売業]